イギリスの小学校テスト一覧
Reception(4〜5歳)
1. Reception Baseline Assessment (RBA / ベースライン・アセスメント)
- 時期: Receptionに入学して最初の6週間以内
- どんなテスト?: 先生と1対1で、絵本を読んだりおもちゃを使ったりしながら行う「遊び感覚」の短いテストです。子供自身はテストされていることに気づかないことがほとんどです。
- 目的: 成績をつけるためではなく、学校側が「入学時点でこの子にどれくらいの基礎知識(言葉や数)があるか」を把握するためのものです。この結果を基準にして、Year 6までの成長度合い(学校の指導力)を測るためのデータとして使われます。親が対策をする必要は全くありません。
Year 1(5〜6歳)
2. Phonics Screening Check (フォニックス・スクリーニング・チェック)
- 時期: Year 1の6月(夏の学期)
- どんなテスト?: 先生と1対1で行う、5分程度の音読テストです。本物の単語(cat, dogなど)と、宇宙人のイラストが描かれた「偽物の単語(zog, blanなど)」を、フォニックスのルール通りに正しく読めるかをチェックします。
- 目的: フォニックス(文字と音のルール)がしっかり身についているかを確認するためです。ここで基準点に達しなかった場合は、Year 2で再度チェックを受け、しっかりサポートしてもらえます。実際、息子は2点ほど基準点に満たなかったのですが、その後、授業の合間に先生がフォローしてくれて、後日のテストで基準点クリアできました。
Year 2(6〜7歳)
3. KS1 SATs (キーステージ1 サッツ)
- 時期: Year 2の5月(※現在は**任意(オプション)**となっています)
- どんなテスト?: Reading(読解)、Maths(算数)、SPaG(スペリング・句読点・文法)の筆記テストです。SPaGは、学校では「Writing」と言われます。
- 目的と最新の注意点: 以前は国が定めた義務のテストでしたが、2023/2024年度から「非義務(オプショナル)」に変更されました。 そのため、学校によっては実施しないところもあります。ただし、子供の学習の定着度を測るために、テストというプレッシャーを与えない形で(普段の授業の一部として)実施し、内部データとして活用する学校は今でも多くあります。
Year 4(8〜9歳)
4. Multiplication Tables Check (MTC / かけ算チェック)
- 時期: Year 4の6月
- どんなテスト?: iPadなどのタブレットやパソコンを使って行う、かけ算のオンラインテストです。1問につき数秒しか答える時間がなく、次々と問題が表示されます。息子は現在Year 4で、現在このテストへ向けて掛け算に取り組み中ですが、実際息子に聞くところ、1問につき、6秒の回答時間が与えられるそうです。それに間に合わないと、ポイントとならず、次の問題に流れてしまうそうです。よって、瞬時に答えられることを鍛えることが大切です。また、日本の掛け算と違うところは、日本では9×9までですが、英国では12×12まで求められるので、注意が必要です。掛け算に関しては、先生に取り組み方を質問しましたが、掛け算は、繰り返しと記憶力の勝負とのこと。11の段、12の段も記憶して、すぐに答えられるようになることが求められます。
- 目的: 高学年(Year 5/6)の複雑な算数に進む前に、かけ算の九九が「反射的に」答えられるレベルで定着しているかを確認するためのテストです。
Year 6(10〜11歳)
5. KS2 SATs (キーステージ2 サッツ)
- 時期: Year 6の5月の決められた1週間(全国一斉)
- どんなテスト?: 小学校生活の集大成となる、最も重要でフォーマルな全国統一テストです。Reading(読解)、Maths(算数)、SPaG(スペリング・句読点・文法)の3科目を、厳しい試験ルールの下で受けます。
- 目的: 主に**「学校の評価(League tables)」**に使われるため、学校側も非常に力を入れて対策をします。また、この結果は次の中学校(Secondary School)に引き継がれ、入学後のクラス分け(セット分け)の参考データとしても使われます。
6. 【任意】 11+ (Eleven Plus / イレブンプラス)
- 時期: Year 6の9月〜10月頃(※準備はYear 4/5から始まります)
- どんなテスト?: グラマースクール(公立の進学校)や、一部の私立中学校に入るための「中学受験」のテストです。国語、算数に加え、Verbal Reasoning(言葉の論理問題)やNon-Verbal Reasoning(図形の論理問題)などが出題されます。
- 目的: 選抜制の学校に入学するため。あくまで「任意」なので、地元の公立校(コンプリヘンシブ・スクール)に進学する場合は受ける必要はありません。
最後に:イギリスのテスト事情、親が知っておくべき一番大切なこと
ここまでイギリスの小学校で行われるテストについて解説してきましたが、最後にもう一つだけ、保護者の皆様にぜひ知っておいていただきたいことがあります。
日本の学校では、テストというと「子供個人の成績をつけるため」に行われることが多いですよね。そのため、親としてはつい「いい点を取らせなきゃ!」と焦ってしまいがちです。
しかし、イギリスの小学校で行われる義務テスト(SATsなど)は、実は「学校が国から評価されるため(学校側が、国が定めた基準通りに子供たちをちゃんと教育できているか)」という意味合いが非常に強いのが特徴です。
テストの結果によって子供が怒られたり、留年したりすることはありません。あくまで学校側が「次の学年や中学校に向けて、どの子にどんなサポートが必要か」を見極めるためのデータとして使われます。
そのため、親御さんが過剰にプレッシャーを感じたり、焦って詰め込み勉強をさせたりする必要は全くありません! 「今の理解度をチェックするだけだよ」と、ぜひリラックスして見守ってあげてくださいね。
イギリスの学校生活、最初は戸惑うことも多いですが、お子様のペースで楽しく学んでいけるよう、お家でも無理のない範囲でサポートしていきましょう!
📚参考資料📚
イギリス政府(GOV.UK)が、学年ごとにどのようなテスト(SATsなど)があるのかが、一般向けに分かりやすくまとめて公開しています。
🪄お役立ち情報
各学校のテスト結果や教育の質は、Ofstedのインスペクションレポートから誰でも確認することができます。
現地の子供たちがテスト前の復習に使っているのが BBC Bitesize です。学年ごとのカリキュラムが網羅されていて、家庭学習の強い味方です。


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