【第5回】 イギリスの評価基準がさっぱりわからない!?通知表や面談で必ず言われる!個人の目標と評価の指標を学ぼう

教育

イギリスの小学校では、子供たちが「今どのレベルにいて、次は何を目標にするべきか」を測るために、国が定めたカリキュラムに基づいた「Age-Related Expectations(ARE:年齢ごとの期待値)」という絶対的な指標を使います。

日本のように「クラスの中で何番目か」や「平均点と比べてどうか」という相対評価ではなく、「その学年の終わりまでに習得すべきチェックリスト(ARE)を、どれくらいクリアしているか」で個人の目標が設定されます。

最後に、うちの息子娘の実際に学校から受け取った評価と目標も紹介しているので、最後までみていってください。

 評価と目標に使われる「3つの決まり文句」

保護者面談や通知表では、Reading(読解)、Writing(ライティング)、Maths(算数)の各科目について、以下の3つのフレーズのいずれかで現在のレベルと今後の目標が伝えられます。

1. Working Towards the Expected Standard (WTS / WT)

  • 意味: 学年の期待値(目標)に「向かって取り組んでいる途中」
  • 状況: その学年で習うべき内容の基礎をがんばって習得している段階です。先生からの目標設定としては、「まずは前の学年の抜け漏れをなくし、基本的な計算やスペリングのルールを定着させましょう」といった基礎固めがメインになります。

2. Working at the Expected Standard (EXS / ARE)

  • 意味: 学年の期待値(目標)を「満たしている」
  • 状況: これが大多数の子供たちが目指す、国が定める「標準ゴール」です。 その学年のカリキュラムをしっかりと理解し、自分の力で問題を解いたり文章を書いたりできている素晴らしい状態です。ここに行き着いていれば、親御さんは大いに褒めてあげてください!

3. Working at Greater Depth within the Expected Standard (GDS / GD)

  • 意味: 学年の期待値を「より深いレベルで理解している(応用・発展)」
  • 状況: 単に理解しているだけでなく、習ったルールを「全く別の場面で応用できる」「誰かに教えられる」という、いわゆるマスター(Mastery)状態です。EXSをクリアした子には、先生から「次はGreater Depthを目指して、より複雑な語彙を使ったり、難しい文章題に挑戦してみよう」という次のステップの目標が与えられます。

 日々の目標設定:「Next Step(次のステップ)」

「あなたは今、WTSだからEXSを目指しましょう」という大雑把な目標だけでは、子供は何を頑張ればいいか分かりませんよね。 そのため、普段の授業やノートの添削では、「Next Step Targets(次の具体的な目標)」というものが個人ごとに細かく設定されます。

  • 個人の目標の例:
    • 「今週の目標は、文章の終わりに必ずピリオド(Full stop)を打つこと」
    • 「大文字と小文字のサイズの違いを意識して書くこと」
    • 「作文の中で、”because” や “if” などの接続詞を使うこと」

イギリスの先生たちは、ノートに「ここがダメ」とバツをつけるのではなく、「Next time, try to…(次はこうしてみよう!)」という形で、ポジティブに個人の小さな目標(Next Step)を与えてくれます。

 親御さんへのアドバイス

イギリスのカリキュラム(Expected Standard)は、実はかなりレベルが高く設定されています。特に英語が第二言語の子供たちにとって、Writing(作文)などで「Expected」を取るのは非常に大変なことです。

もし成績表に「Working Towards(WTS)」と書かれていても、「遅れている!」と焦る必要はありません。先生から言われた具体的な「Next Step(次の一歩)」をお家で少しずつサポートしてあげるだけで十分です。人と比べるのではなく、「去年のその子自身」と比べてどれくらいできることが増えたかを見てあげてくださいね。

おまけ:うちの息子娘が実際に学校から受け取った目標の紹介

娘がReceptionに入って1か月後くらいに受け取った目標です。娘は、ぬりえをするときに、途中からめんどくさくなるのか、私から見ても雑だなー(笑)と思うこともあったので、先生もよく見ているなと納得したのを覚えています。


こちらは、息子がYear4になった秋の目標設定です。Year3に引き続きWritingを頑張りましょうということでしたので、納得の目標設定です。目標設定から、学校側で息子のWriting力改善のためにどんなアプローチをとってくれているのかがわかるかと思います。

以下日本語訳:

学習支援計画書(抜粋)

アセスメント(9月時点):

  • R (Reading/読解): E(精通/期待通り)
  • W (Writing/書字): W(要支援/努力が必要)
  • M (Maths/算数): G(良好)

目標 1:リテラシー(読み書き)と文章作成能力の向上

介入 / リソース / サポート / 規定:

  • 母音の二重音字(ダイグラフ)チャート、ワードマット、視覚的ツール(Widgitなど)を使用して、自力で綴り(スペリング)が書けるようサポートする。
  • 文章を書く前に考えを整理できるよう、視覚的なプランニングツール(ストーリーボード、マインドマップなど)を使用する。
  • 長文作成時の負担を軽減し、認知的な負荷を抑えるために、補助技術(Clickerなど)を使用する。

目標 2:授業中の集中力を維持すること

介入 / リソース / サポート / 規定:

継続的な促しを行う。視覚的なタイマーを使用して、集中すべき時間や課題を完了させるまでの時間を意識させる。


また、この面談に関する記事はこちらでも紹介しています。息子の特性に合ったおもしろいアプローチ方法に関して先生から提案があったので、ぜひ読んでみてください。

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